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2012年01月07日

ダライ・ラマ法王特別講演に寄せて

http://www.mikkyo21f.gr.jp/message/stpg-dalailama.html


上記のホーページよりコピーしました。
ダライ・ラマ法王特別講演に寄せて

密教21フォーラム事務局長 長澤弘隆(真言宗智山派、栃木市満福寺住職)


このたび、チベット国の最高指導者ダライ・ラマ法王十四世テンジン・ギャツォ様ご滞日中の貴重な時間をいただき、特別講演会を準備させていただきましたところ、日頃より法王様の教えや動向にご関心を寄せる皆様が全国各地からお集まりいただき、かくも盛大に開催できますことを心より感謝申し上げます。

ご案内のように、法王様は仏教国チベットの宗教的最高権威であるとともにチベット国家の政治的最高指導者でありますが、1950年10月の中国人民解放軍20000余の兵力による東チベット侵入、同じく1951年の首都ラサ進駐、それによる経済的混乱や国民の苦境からやむなく「チベットの平和解放に関する協定」の批准、1957年の東チベット・西チベットでの民衆蜂起、1958年の東チベットでの民衆決起、中国軍による砲撃・破壊と民衆の逮捕・拘禁、そして民衆鎮圧と混乱、チベット文化の否定と破壊が続くなかでの1959年の法王のラサ脱出、北インド・ダラムサラに臨時(亡命)政府の樹立、を経て、依然として中国による実効支配が続くチベット国の自由と独立のために仏教の教えに基づいた非暴力・非抵抗主義をつらぬき、祖国の人々を励まし勇気づけながら来るべき日のために日々つとめておられます。 パレスチナとイスラエルの報復の連鎖とちがい、いわば国家間または民族間紛争の生々しい問題を、武力によらず、非暴力・非抵抗と言論によるねばり強い運動で解決しようとする法王の忍耐強さに、世界の政治指導者は学ぶべきであります。法王の指導力によってチベット人はムダな血を流しておりません。

本日は、主催者側からの要望で、<「慈悲」-仏教徒からの世界平和と人権救済のメッセージ>と題しご講話をお願いしてございますが、現下の世界情勢とりわけ東アジアの緊迫した時勢に照らし、お話は興味深くまた有意義なものになると期待をいたしております。

「慈悲」とは、目の前で苦しむ人と「事を同じくし(同事)」「行いを同じくし(同行)」すること、つまり「悲しみを同じくし」「苦しみを同じくし」、「共に泣き」「共にそこに居てやる」ことであります。安っぽい同情ではありません。母がわが子の病気平癒のために自分を捨てて看病をするあの「自己犠牲」であります。これが大乗仏教が創案した<「空」の実践>(利他行、菩薩行)であります。仏教は、この「慈悲」の標目によって、インドの思弁哲学から人類普遍の救済の宗教に変身を遂げました。 大乗はまた、「慈悲」の実践者を用意しました。それが「観世音菩薩(観自在菩薩)」つまり「観音様」であります。「観音様」はホトケ(聖)でありながら娑婆世間(俗)の姿でいつもおられ(三十三身、化身)、娑婆世間の苦しみにあえぐ私たちを救って止まない「菩薩」であります。このホトケ(聖)でありながらその姿は娑婆世間(俗)のものとし、いつも娑婆世間にありながらホトケとして衆生救済活動に従事する、という相矛盾する二つの世界を同時的に両立させる「菩薩」というコンセプトは、まさに西洋合理主義哲学にはない東洋の知恵であります。

ダライ・ラマ法王こそチベット仏教の伝統でいう「観世音菩薩」の化身であります。「慈悲」の権化であり、非暴力・非抵抗主義はそれに基づいた行動規範であります。このお考えによって、何十万人のチベット国民の生命が守られてきたか、それこそが娑婆世間の救済活動であります。 きょうの講演は、ダライ・ラマ法王に姿を変えた「観世音菩薩」が、東京の新高輪プリンスホテルを説法処として、私たち集会の大衆に有難い説法を行うという図でもあります。法王様のお顔はいつもにこやかで慈愛に満ちています。チベットの人々が「生き仏(活仏)」として崇敬する気持がよくわかります。 21世紀は人間劣化の時代であるかのようです。まことに多事多難の世紀です。20世紀をリードした西洋合理主義(安いか高いか、損か得か、儲かるか儲からないか、敵か味方か、強者か弱者か、支配者か被支配者か、資本家か労働者か、自然か人間か、他者か自己か、男か女か、の相対的な対立主義)を越える非対立主義・共存主義による東洋のグローバルスタンダードがいよいよイニシアティブをにぎる時代です。

遠近を問わずわざわざご参加をいただきました皆様に、せめてもの記念の品として法王様の自伝を用意いたしました。こうした折に、法王様についてのご理解をより一層深めていただければ幸いに存じます。

今回主催団体となりました2団体(全真言宗国際救援機構(ASIRA)・密教21フォーラム)は、ともに真言宗僧侶有志によるボランタリーな組織でありますが、宗派を越え社会の垣根を越え国境を越え、僧侶の本分たる利他行の一環として国際奉仕・社会奉仕の活動を行っているものであります。今後ともご指導ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

資料のなかに、私どもの会員から寄せられました「世界聖地八十八ヵ所巡礼」と題する和文・英文のレポートが添付されております。ご一読をいただき、その意味するところをお読み取りいただければ幸いです。

本日は、まことに有難うございます。